人がヒグマと共存していくための具体策


 「自然の元締」であるヒグマは現在北海道には全道面積の約50%の地域に1880頭(出産前の12月)から2285頭(出産後の2月末頃)生息していると推計されるが、このヒグマ達の多くと北海道で共存していくためには次のことを具体的に実行すべきである。
 その前提として、「北海道には熊が居て当たり前」という自覚が必要である。 

1, 熊の出没地に入る時は(跋渉期・越冬期とも)必ず笛と鉈を携帯する。 
2, 人家付近に熊が出てきた場合でも、人を見て逃げる熊は殺さない。 
3, 人家付近に出てきた熊で、人が熊に近づいても(熊との距離が40m以内に)逃げない熊は割り切って殺獲する。 
4, 人家付近に日中度々出没する熊は割り切って殺獲する。人と遭遇しない時間帯(夜、早朝、夕方)にだけ出没する熊は放置しておいても人身の保安には問題ない。  
5, 熊の行動圏やその近傍にある人家や番屋などの建物・施設・養蜂箱などは電気柵と逆さ釘で自衛する。 
6, 熊が道路を横断したり、熊の糞があったぐらいで騒がない。  
7, 奥山(人の居住圏から最奥で2km以上の場所)では極力熊は殺さない。 
8, 奥山では熊の餌樹(ヤマブドウ・コクワ・ドングリ類)を残す。 
9, 北海道の森林面積の10%、56万ヘクタール(大雪山地域23万ヘクタール、日高地域25万ヘクタール」、知床地域8万ヘクタール)を自然保護区にし、樹の伐採も最小限の択伐にとどめ、山を明るくし過ぎないこと。  
10, 熊の管理は「地域の許容頭数を決める」生息数管理法ではなく、熊に生息地を保証し  頭数は自然の摂理にまかせる「生息域管理法」で行うこと。 
11, 2〜4を適切に実施するために、熊パトロール隊を設置する必要がある。


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