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HOKKAIDO WILDLIFE LABORATORY

所長:門崎允昭(農学博士、獣医学修士)

KADOSAKI MASAAKI
e-mail: kadosaki@pop21.odn.ne.jp


羆が住宅地に出て来る原因とその対策


 

日本熊森協会 2011年総会   記念講演(全文)5月1日尼崎市



熊が棲息している地域で、熊を殺さないで、
野生で熊を残すことについての私の理念

2010 年 11 月 23 日
門崎 允昭

@ これは、「野生生物に対する倫理 ( 生物の一員として人が為すべき正しき道 ) 」の問題である。

 野生生物に対する倫理として。先ず、熊が既に棲息している地所がある地域では、その地域で、人は熊と共存せねばならないと言う責務があるはずだし、また責務とすべき問題である。

 理由:この大地は総ての生き物の共有物であるはずだ。熊にもそこで生きて行く権利があるはずだし、生物倫理としてそれを認めるべきである。

 古人先達は、熊に畏敬畏怖の念を持ち、先史人(縄文人等)は具象像などを造り、江戸期・明治期の民は山親父・旦那などと熊を敬称し接していた。我々もその原点に戻り熊と対応すべきである。

 

A 危険・被害がある、又は生ずる可能性があるとの理由で、熊を予防的に駆除殺すのは、人間の傲オゴりである。 反省を求めたい。

 

B 共存には熊による人的・経済的被害の防止策を講ずることが必須である。

 

それには、

( A ) 熊生息地での被害の防止策

・カタツムリ型のホイッスルと鉈の携帯 ( 鉈の携帯まで踏み込まないと、死亡事故は無くせない )

 

( B ) 熊出没地(可能な地所も含めて)での防止策が必要である。

・地面から高さ 2m まで目幅 15cm 程で、有刺鉄線で造った金網柵を張る ( 熊が出入りする場所は地所で通常決まっている )

 

( A ) と ( B ) は既に私は確立していると確信しているが、これを実施しないから、被害が生じたり、被害が生ずる可能性がある訳で、それが熊を予防駆除することを正当化させる根拠になっている。それで何としてでも、 ( A ) と ( B ) を実施させ、駆除殺している実態を改善させなければならない。

 

鹿の害獣視と、数年毎に特定の獣を害獣視する研究者なる集団

  最近急にマスコミで「鹿が全道的に増え過ぎて」農作物や牧草の食害・山林での樹皮喰ジュヒグいや高山植物の食害で、北海道の農林業と自然は壊滅カイメツするから、「囲カコいの中に餌エサを置いて鹿を誘オビき寄せ一網打尽に殺す」等のキャンペーン報道が続いている。ここで私が指摘したいのは、数年毎に特定の獣を害獣視し、今回の鹿と同様なキヤンペーンが20年以上も前から多額の税金を使い続いている事だ。先ず@20年前には羆ヒグマとの共存を図るためと称し、外国から学者を呼びフォーラム等の祭り騒ぎをしたが、その結末は「熊に襲われたら死んだ振フりをすべし」との妄言モウゲンパンフレットを道庁が今も作り、未だに毎年3〜5百頭もの羆を殺している現状だ。羆の次はA「エキノコックス被害」を防ぐためと称し、狐キツネを害獣視し世間を賑ニギわせた。さらにその次はB「洗熊アライグマの害獣キャンペーン」が数年続き、作秋サクシュウそれが下火になったと思ったら、C今度は鹿である。これには常に自然保護を公的に主管する道庁と害獣視の根拠作りをし調査費等の利権に群がる研究者とNPOなる非営利団体、そしてその話題を持モて囃ハヤすマスコミが常に一体化していることだ。今回の鹿問題には「オオカミの日本への移入促進の世論作りもある」。これを皆さんはどう看ミるか。

野生動物の害獣視は間違い
    
  鹿は冬を生き抜く術スベとして、樹皮ジュヒや小樹ショウジュを食べるがこの生態は太古からの常態ジョウタイであり、これで森林が壊滅するとすれば、その主因は人間が明治以来無分別に樹を伐採し、自然に合致しない植林・育木イクボクなどの林政を行ってきた結果である。鹿が高山植物を食することも太古からの摂理セツリである。北海道の森林面積は、全道の71.5%を占め、実面積は5万6千2百平方キロ。昔も今も国立公園内の殆どの地域が経済林として伐木されているが、それは止めるべきであろう。先ず、森林の利用区分を大胆に決めるべきである。私は森林面積の10%、具体的には、大雪山地域23万f、日高山地25万f、知床・阿寒地域8万fの合計56万f(これは全道の森林面積の10%に相当)を、総ての自然の保存地とし、伐木・動物の駆除・狩猟を禁止し、未来永劫、そこに暮らす動植物と我らの子孫のために残すべきだと強く思う。そして林業は他所で大いに振興したら良い。作物の獣害は出没箇所に地面から高さ2m迄目幅15cmの有刺鉄線柵を張れば防止出来る。野生動物との共存は「野生生物に対する倫理リンリ(生物の一員として人が為ナすべき正しき道)」の問題である。人が静かな心で自然と共存する日の到来は何時なのか、私はその日を強く望む。

 

全国の都道府県別熊の補殺数一覧を参照されたい (ここをクリック)。

COP2010 名古屋市での{熊シンポジュム}
10月16日(土)での講演要旨 


COP2010 Nagoya (Bear International Symposium) 16 October 2010

「北海道保健医新聞」掲載記事、<鹿は害獣か>筆者 門崎 允昭

北海道でのヒグマによる人身事件の概要一覧(1970年〜2010年)2006年以降は別記

2010年度に本州で発生した月輪熊による81件の人身事件一覧(門崎允昭作成)

所長による新しい著書 New Book

野生動物調査痕跡学図鑑  発売中 総ページ数500ページ 定価 5,250 円
 

 

北海道出版企画センター発行、 電話 011-737-1755



<熊に襲われたら「死んだふりをせよ」、「ガススプレイ」で反撃せよなどは無責任極まりない妄言。妄言と断じるのは以下の理由による>

意識ある状態で熊に爪や歯で攻撃されて、じっと我慢し得る人間はいない。

また、ガススプレイは、瞬時に襲い来る熊には通用しないし、それよりも、人がガスを少しでも吸ったら呼吸ができなくなるし、肌にガスが付着しただけで皮膚が炎症起こし、我慢できないうえ、目に入ったら目を明けていられない、そういうしろものである。
これでも、「死んだふり」や「ガススプレイ」を推奨するのだろうか。



 <日本で熊と人が共存するための基本>
1、日本に「野生の熊が生息していて当然だ」と考え対応すること。
2、「熊を殺さない」、そして、「熊による被害も予防する」という両輪で対処すること。
3、共存の基本は「熊と人が日常的に棲み分けする」ことである。
4、里への熊の侵入を防ぐ基本は、熊の出る場所に「有刺鉄線で柵を造るなり、地面に有刺鉄線をリング状に広げるなり」するとよい。電気柵は保守管理に経費がかかり不適である。
5、熊が居る可能性がある場所に入る場合は、「笛と鉈」を必ず携帯することである。
6、万が一、熊に襲われた場合には、鉈で「積極的に反撃すること」である。熊に襲われて、生還した者は、皆、熊に積極的に刃物などで、反撃していることを、心に命じることである。
7、熊の棲む森林に「ドングリの木」を増やすこと。ましてや、「育木除伐」と称して、コクワやヤマブドウの蔓木を伐り殺すのはやめること。


ヒグマが人を襲う原因と対策(2008年5月)
ツキノワグマにも共通して当てはまる

アライグマ(2008年4月)
かつて北海道には生息してなかったアライグマについて考える

コウモリの語義について(2007年3月)
コウモリの語義と語源(編集未完)

北海道での最近の熊騒動2件について(2006年10月)
北海道浜中町・北海道北広島市(2006年9月10月)における熊騒動

世界自然遺産指定の知床で、2005年に32頭の熊が殺されているのご存じですか。(2006年9月)
熊と人との共存を真剣に考えよう

間違いがひとり歩きする(2006年9月)
もし、熊に遭ったら、どうする!本当の熊対策

「財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構」からの依頼による講演テキスト(2005年8月)
アイヌとヒグマ

「財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構」からの依頼による講演テキスト(2005年8月)
アイヌとトリカブト

ヒグマとツキノワグマの違い一覧表(2005年8月)
ヒグマとツキノワグマの違い

国有林野事業での「安全管理」としての羆による「人身事故対策」(2005年4月)
林業と羆

「植生が豊か」とは何か?「人と動物共存へ豊かな森づくり」(2004年12月)
自然を育む森林づくり

道のヒグマ研究者のヒグマに対する知識は素人以下(2004年9月)
襲い来るヒグマに無抵抗(死んだ振り?)を臆面もなく奨励

「世界自然遺産」候補地の「北海道の知床」で熊の駆除!!!(2004年7月)
知床五湖でのヒグマ駆除は言語道断

今一度、熊の生き様について考えてみませんか(2003年6月:2004年12月更新)
熊について、本当のことをご存じですか

共存のために今すべきこと[北海道新聞社からの依頼](2001年11月)
疑問だらけのヒグマ対策 【2002年12月画像版追加】


門崎 允昭 執筆論文目録


概要 Outline

活動 Business

所長による主な著書 Books

ヒグマ北海道新聞社)総頁数377ページ、314項目を詳述 1890円



野生動物痕跡学事典北海道出版企画センター) 総頁数303ページ 3090円



アイヌの矢毒−トリカブト北海道出版企画センター) 総頁数150ページ 2300円



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所在地:北海道札幌市厚別区厚別南3丁目8番22号

電話・FAX:011−892−1057

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